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#16 U.G.M.(利重力身体操作法)理論で考える理想的な肩の使い方・鍛え方 ①

一般的に肩関節というと上腕骨(二の腕の骨)肩甲骨との関節をイメージされると思います。

これは正確には肩甲上腕関節(けんこうじょうわんかんせつ)と言われ、直線的な動きだけではなく、回旋運動など多様な方向へと動くことができる人体で最も可動域の大きな関節(多軸関節)です。


 形状的には「球関節(きゅうかんせつ)」に分類され、肩甲骨の外側に位置する関節窩(かんせつか)というくぼみが受け皿になり、そこに上腕骨先端の上腕骨頭(じょうわんこっとう)が接しています。

この形状はゴルフボール(上腕骨頭)とティー(肩甲骨の関節窩)の関係によく例えられるように、肩甲骨の関節窩のくぼみは非常に浅く、その面積も上腕骨頭に対して1/3~1/4しかありません。

そのため、同じ球関節に分類される股関節と比べると著しく不安定な構造となっていて、脱臼の発症数も最も多い関節になります。

 この肩関節の不安定性は、いくつかの組織によって補強されています。

肩甲骨の関節窩のまわりには関節唇(かんせつしん)といった軟骨が付いてその深さを増し、さらに、丈夫な膠原繊維の被膜である関節包(かんせつほう)といった組織が肩関節全体を包んでいます。この関節包には靭帯(じんたい)も癒合し、その安定性をより高めています。

 しかしながら、動作時においては、この安定性補助機構の機能が間に合わず、これらの組織同士が擦れ合うことによる炎症や、骨との衝突による障害が生じることがあります。特に野球やバレーボールといった腕を力強く振るようなスポーツでは肩関節の障害が起こるケースが少なくありません

そのため、トレーニングやリハビリの現場ではこのような障害の予防、および改善のために肩のインナーマッスルトレーニングが積極的に行われています。

 肩のインナーマッスルは「ローテーターカフ(回旋筋腱板)」と言われ、いくつかの筋肉で構成されています。そのはたらきは肩関節の可動時における安定性に関与することから、動的安定機構と言われており、その機能を考慮したトレーニング方法の選択が大切となります。

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