トレケアのトレーニングでは、筋肉を柔らかく鍛え、関節の動きを良くしていく事をとても大切にしています。
これは、筋肉の柔軟性や充分な関節の可動域が「姿勢の改善」、「運動機能の改善」を図るうえで、最も優先されるべき身体要素であると考えているからです。
筋肉が柔軟に活動し、関節がスムーズに動くことで初めて姿勢や動作の改善に向けたアプローチができると考えています。
そして、この考え方はある運動理論に基づいています。
その理論とは、、
「利重力身体操作法 Utilizing Gravity Movement (U.G.M.)」です。
これは重力に抗うのではなく、重力を利用することで理想的な姿勢や合理的な動作の習得を可能にする運動理論です。
私たちは地球上で生活する以上、常に重力の影響を受けています。
重力は体にかかる負荷のため、それに負けないよう、体幹部を中心に、抗重力筋と言われる筋肉を強く鍛えることが必要とされ、トレーニングやリハビリの現場では、脚に加え体幹部の筋トレが積極的に行われています。
しかし、筋力(筋肉の収縮力)で重力に抵抗することは常に筋肉を酷使し続けることとなり、慢性的な筋疲労や、それに伴った筋肉のコリ・痛み、血流の悪化などを招き、身体への負担が増大すると考えられます。
そこで、U.G.M.では、重力に抗うのではなく、重力を利用した効率的な力の使い方を提唱しています。
それができれば、より身体の負担を減らし、楽に姿勢を保持したり動くことができると考えているからです。
それでは、どのようにすれば重力を利用して動くができるのか…、そのためには押さえておきたいポイントがいくつかあります。
それは、、
U.G.M.トレーニングのポイント
・負荷(重力)を受ける
・骨で支える
・筋肉の収縮力に頼らない
・体幹部の筋肉の張力で出力する
これら4項目を踏まえて人の動きを、
(1)「筋肉」の動きではなく、「骨」の動きで見る
(2)筋肉の「収縮力」ではなく「張力」で考える。
このような考え方でトレーニングを実践していくなかで、重力を利用した力の使い方や動作方法が身に付き、仕事や家事などでも疲れにくくなり、関節や筋肉への負担も軽くすることができます。
また、アスリートでは力の発揮の仕方や競技動作が合理化されることで、パフォーマンスが向上するため、一流選手と呼ばれる人たちは、その精度に差はあれ、このような身体の使い方ができていると考えています。
次回は、重力を利用した力の使い方について、より具体的にお話を進めて行きます。