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#07 胸椎の特徴について(猫背の原理②)

前回に引き続き、「姿勢」についてのお話です。

「猫背」は背骨が過度に丸まった状態ですが、今回はその背骨についてちょっと詳しく見て行きたいと思います。

背骨は専門的には脊椎や脊柱(せきちゅう)と呼ばれています。

脊柱は首、胸、腰の位置で、それぞれ頸椎(全7個)、胸椎(全12個)、腰椎(全5個)に分類されていて、元々S字状にカーブをしています。


そして、このカーブがあることで、脊柱にかかる荷重は最も下方に位置する腰椎や、その下にある仙骨に集中することなく、バランス良く脊柱全体に分散されています。


このS字の弯曲は、頸椎と腰椎の前方へのカーブ(生理的前弯)、そして胸椎の後方へのカーブ(生理的後弯)によって作られています。

「あれ?胸椎が後方へカーブしているということは、皆が元々“猫背”だっていうこと…?」と思われたでしょうか?

この疑問にお答えするために、胸椎の特徴を見て行くこととします。

胸椎は上・下で頸椎と腰椎に挟まれていて、脊柱の中心に位置しています。
そして骨の数は頸椎や腰椎と比べると約2倍ほども多くあります。
この位置的な関係や骨の数の違いにより、胸椎は特徴的な弯曲を持つようになります。

実は、胸椎は一様に後弯しているわけではなく、上に行くほど頸椎に近い状態、また下に行くほど腰椎に近い状態に徐々にその弯曲を変えています。

つまり、胸椎は上・下端に向かうほど、後弯を緩め、生理的前弯を持つ頸椎や腰椎へとスムーズに続いて行けるよう、その弯曲の程度や方向を前弯方向へと徐々にシフトしているのです。

このような生理的な胸椎の弯曲が崩れ、胸椎全体が一様に後弯を強めた形が「猫背」となります。

姿勢を良好に保ち、日常生活動作やスポーツ活動において、脊柱のS字カーブによるクッション作用を機能的に活かすためには、胸椎がその位置によって適切に後弯を緩めていることが必要なのです。

とりわけ、荷重の集中しやすい胸椎と腰椎が移行する部分(図のT12~L1)で、胸椎が前弯方向へとシフトしていることがとても重要なポイントとなります。

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