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#12  「胸腰椎移行部の伸展」① 

確定申告に追われ、ブログの更新が遅くなってしまいました。ごめんなさい(汗)。

また2週に一度のペースで更新して行きたいと思いますので、ご一読いただけると嬉しいです。

さて、今回のテーマは「胸腰椎移行部の伸展」です。

そもそも「胸腰椎移行部(きょうようついいこうぶ)」って、何、、?
ということで、まずは聞き慣れないこの部分についてお話したいと思います。

以前、ご紹介した脊柱の構造について覚えていらっしゃいますでしょうか?ちょっとおさらいしましょう。
 
脊柱(背骨)は、7個の頸椎(首の骨)、12個の胸椎(背中の骨)、5個の腰椎(腰の骨)で構成されていて、頸椎と腰椎は前方に凸の「前弯」、胸椎は後方に凸の「後弯」を持ち、脊柱全体でS字状に弯曲しています。(※脊柱は正確には仙骨、尾骨も含みます。)

このうち、胸椎はちょっと特殊で、胸椎全体が一様に後弯を強めているわけではなく、通常、上から6~7番目ぐらいまでが後方への弯曲を強め、7~8番目以降からは徐々にその弯曲を緩めています。

そして荷重の集中する最下部の胸椎(第11~12胸椎)では、最も後弯が緩み、前弯方向へとその弯曲をシフトして行きます。

このように、胸椎は位置によって弯曲の程度や方向を変え、元々前弯を持つ腰椎へとスムーズに連なっています。これにより、上からかかる荷重や地面から受ける反力が極端に腰椎に集中することなく、下部胸椎や股関節にうまく伝わるようになっているんです。

そして、この胸椎が腰椎へと移行する部分の第11胸椎から第2腰椎までを「胸腰椎移行部」と呼んでいます。

 この「胸腰椎移行部」にはいくつかの特徴があります。その一つが肋骨とのつながりです。

まず、左右12対ある肋骨はすべて背中で12個ある胸椎と対を成すようにつながります。

 このつながり方は特殊で、肋骨は上下に連なる胸椎の各骨の間に挟まるように関節しています(肋骨頭関節)。

また、胸椎の骨には横突起(おうとっき)という外側に突き出た突起があり、その部分にも肋骨はつながります(肋横突関節)。

そのため、胸椎の動きは、楔(くさび)のようにはまり込み、横突起ともつながる肋骨によって制限を受けます。

 しかし、ここにも例外があります。実は、胸腰椎移行部に位置する第11胸椎と第12胸椎の間には肋骨は挟まっていません。

つまり、第11肋骨は第11胸椎に、第12肋骨は第12胸椎に直接つながっています。また、横突起とも関節していないんです。
これは、胸腰椎移行部の位置や動きが肋骨による直接的な制限を受けないということを意味しています。


 さらに、肋骨の前方は肋軟骨(ろくなんこつ)を介して胸の中央にある胸骨(きょうこつ)につながっています。

そして、胸骨、肋骨、胸椎で骨格によるカゴの様な構造を形成しています。

これを胸郭(きょうかく)と呼びます。

ただ、この胸郭の構造から外れる肋骨が二対だけ存在しています。勘の良い方はもうお分かりですね、、。
そう、第11、第12肋骨だけは浮肋(ふろく)と呼ばれ、その先端は浮いた状態にあるんです。

このように、胸腰椎移行部の可動は、楔のように作用する肋骨や、胸郭による骨格的な制限から解放されています。そして、このような構造によって、胸腰椎移行部の生理的前弯(元々備わる前方への弯曲)の維持、さらにそれが強調された「胸腰椎移行部の伸展」といった動きが確保されています。

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